24: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:01:19.54 ID:4QLiHviq0
初めて出会った日のことも、
初めてオーディションに合格した日も
25: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:02:04.41 ID:4QLiHviq0
レッスンで何か失敗してちょっと凹んでいたことも、
何かのレッスンで褒められて喜んでいたことも、
26: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:02:45.19 ID:4QLiHviq0
その声が思い出せない。
その笑顔が思い出せない。
27: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:04:20.66 ID:4QLiHviq0
俺は……何かとても大切なものを亡くしたことだけが分かっていて、
思い出せないのも悔しくて、涙が止まらなかった。
ずっと忘れないようにしていたはずだったのに。
28: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:05:06.30 ID:4QLiHviq0
あの会議を終えてから俺はあてもなく外を歩いていた。
じめじめと蒸す湿気の中、傘をさして独り歩く。
29: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:06:09.22 ID:4QLiHviq0
ひたすらに手に書いた文字を見つめながら歩いていたが、
信号で立ち止まった時、横断歩道の先にある公園を見つけた。
その時、会議室で一瞬だけ思い出した映像がもう一度だけ蘇る。
30: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:07:22.46 ID:4QLiHviq0
公園の奥にはどこかへ続く階段があった。
あの階段の先に……何かありそうな気がする。
31: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:08:05.43 ID:4QLiHviq0
――プロデューサーは今日もナイス普通ですね!
32: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:08:49.38 ID:4QLiHviq0
それでも今の声が誰かも分からないが、検討はつく。
33: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:09:59.94 ID:4QLiHviq0
「麗花ーーーっ!!」
34: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2018/11/26(月) 22:10:38.86 ID:4QLiHviq0
公園を去ろうとした時、また声が聞こえた。
何を言われたのかよく聞き取れなかった俺は
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