22: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:03:28.17 ID:Nn2yIfhz0
――しかし、しかしだ。
恩を返すだのなんだのと直接そど子に言えば、あいつは「ようやく気付いたようね!」と調子に乗るだろう。
「……それはいやだ」
私とそど子との関係で、今更そんな言葉を口にしたくない。
恩義があるとかとは別の話だ。
なんか、こう、あいつに負けた気分になる。
いや、元より勝負なんてしてないんだが――私たちの口論を繰り返す間柄は、宿敵同士と呼べなくもない。
だから、簡単に負けを認めてなるものか、と思ってしまう。
うん。そうだ。
野暮ったい言葉は重ねない。
やはりあいつには門出の餞別をくれてやるくらいが丁度良い。
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