彼女は窓フェチの変態だった
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160: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:57:42.44 ID:Co1Z/VQm0

 暖かい風に包まれる。
 とある春の日の記憶が流れ込んできた。

 桜の花びらが舞う。

「もう社会人なんだねー」

「早いもんだな。にしても、桜がこんだけ見事だとドリキャス出したくなるなあ」

「私はグリシーヌね」

「俺はすみれさん」

 俺と彼女は、同棲を始めるにあたって、必要なものを買いに行っていた。
 その帰り、通りがかった植木屋で、彼女はある植物に目を留めた。

「あの葉っぱかわいー! ねえ、私とたっくんが上手くいってるお祝いに、あれ新居に置こうよ」

「でもまだ金が……いや、そんな高くないし、いいか」

 札に花言葉が書かれていた。
 「恋が成就する」「幸福を告げる」……葉っぱがハート型なだけに、縁起が良い。

 同棲が上手くいき、結婚にまで進めたらいいなと思いながら、俺と彼女は半分ずつ金を出してその草を購入したのだった。


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