49: ◆Ava4NvYPnY[saga sage]
2018/11/03(土) 20:08:34.61 ID:1iL2fWn50
私は本物を着た人形だった。
本物がわかるだけの、ただの偽物に過ぎなかったのだ。
だが私はここにいる。
偽物を認めない、そんな私が。
佐久間まゆの言葉が頭の中で反響する。
――自分という存在を受け入れてもらえるまで、ずっと愛を捧げる。
いいや、そんなやり方は。
蝶よ花よと育てられ、あらゆる分野で頂点をとった私が、愛されるまで愛するなど、
――そんなやり方は認めない。
だから、ドアを開き、私は彼女に言い放つ。
時子「ちひろ。必要なものがあるの。這いつくばってでも準備なさい」
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