25: ◆jA.QsgyP6U[saga]
2018/10/18(木) 01:12:19.47 ID:YlJGVrJ2O
良太は覚悟を決めた。自分が憧れた英雄の頼みを断る、その覚悟を。
「すいませんがその話をお受けする事は出来かねま……
「Mr.前園、これを」
言いかけた俺を制止するように、SPの1人が机に何か金属の類を置く。重量のありそうな音を立てたソレは、良太もよく知るモノだった。
「ちょっ……これって……っ!」
ソレは紐のちぎれた、年代を感じさせる銅のペンダントだった。表面にはサルビアの彫刻が施されており、中を開けるともう随分と前に止まってしまったアナログ時計が顔を出す。良太にとってこのペンダントは大切な、本当に大切な物だ。
「Miss……んんん、Ms.ヘリアンが言っていましたよ? Mr.前園は仕事の時はいつもコレを持っていると」
「つまり、ここで仕事させる気満々って事ですか」
取り敢えずヘリアンさんへの失礼はスルーしておくとして、俺の言葉を遮ってまでコレをこのタイミングで渡してきたってことは、どういう訳かあのヘリアンさんも俺がここで指揮官をすることを望んでいるってことか。
俺の動揺を悟ったのか、太田指揮官が追い打ちをかけるように動く。
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