丹生谷「勇太をなんとしてでも独占したい!2」
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35: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 20:12:58.24 ID:YDitP8hM0
やがてその赤い緊張も解けた。もう俺はあの話をする勇気はない///
でも黙っているのも悪いよな。そう思うと丹生谷が話しかけてきた。
丹生谷「ねえねえ富樫君聞いてよ」
勇太「ん?」
丹生谷「この前まで私チア部やってたんだけどさー、酷くない?」
勇太「???」
丹生谷「あのね、体育館で私達チームでダンスの振り付け練習してたんだけど、
空中にジャンプで股を開脚するスプリットジャンプとか、隣に合わせて腰を左右に振ったり、
タイミングよく右のポンポン高く上げたり、そういうのが私達の練習なんだけど、
私そのとき熱か暑さなのか知らないけど、くらっと周囲が真っ黒になるめまいがしたの。
なんか気持ち悪くて途端に立てなくなって座って」
勇太「大丈夫か?後遺症とか?」
丹生谷「ありがとう。みんな心配で詰め寄って、私だけ特別に体育館の隅っこで休ませてもらったの。
だけどね、そのあとコーチが来て「おいっ丹生谷、なにサボってんだ!!!」ってデカい声で叱ったのよ!」
勇太「えー!それひどいだろ!!」
丹生谷「うん。しまいには怖い顔で、お前の怠慢だっ!って突きつけたのよ!ひどくない?
違うって返したけど逆に激昂して怒られたし。私すごく怖くてショックだった。
おまけにみんな助けてくれなかった。友達だって思ってたのに」
勇太「うわーひどいな。辛かった?」
丹生谷「うん。もう学校行くのやめようかと思ったわあのとき。ベットにうずくまって月の光を意味なく見てたの。一日を長く感じたと思う」
勇太「大丈夫か?」
丹生谷「ありがとう。人生でやばい系じゃないけど、あれはトラウマだったなって」
勇太「俺も悪いのはあのコーチだと思うよ。丹生谷は悪くない。絶対に。
事情を知らないのに、大切な人殺されたってくらい説教してくる人いるよな。限度をわきまえなし」
丹生谷「うんうん」
勇太「おまけに謝らないしさ。俺たちのこと下に見てんだよ生徒の一存だとかで」
丹生谷「そうそうそうそう!!!!わかるわかるわかる!!!」
勇太「でも、たまたま起きた事故だし被害者だろ。お前が他人を傷つけるとか絶対にない。
いつも皆に気を配っては、特に一人だけ準備遅れて焦ってる子に、
頑張れー、ファイト―って肩を叩いて詰め寄ってるの、かっこいいなって俺思ったんだ」
丹生谷「えっそんなとこまで見てたの!」
勇太「う、うん。部活だって、俺の恋愛だって、お前がいつも誰かに絡んでは一緒に悩んでくれるし。
うっとおしいけど、解決したらありがとうって言いたくなって」
丹生谷「そ、そうかな......」
勇太「そういうの嬉しかったし、憧れだった」
丹生谷「富樫君......」
勇太「うん、ほんとだぞ、嘘じゃなくて」
丹生谷「あの、その、ありがとう......。今上手に答えられない。
今胸がキュンってして、何かがもやもやしてる気がして、お礼で言えない気がしてて」
勇太「丹生谷、もしかして照れてる?」
丹生谷「もう!!そんなこと言わないの!!!!あっち向いて!!!」
勇太「でも」
丹生谷「私の言ってること分かんないの!」
なぜか怒った様相をし、
俺の腕に丹生谷のツッコミで小奇麗な手がポンっと強く触れ優しい触感に包まり、中の筋肉も柔らかに揺れる。
なんだよ急に。でも悪いようではないようで。
俺は言われるがごとくそのまま壁に目を移して暇で壁の模様をじっと観察している。なぜか隣から小さい笑い声が聞こえるんだが。
勇太「なんだよ!」
丹生谷「あっち向いて!ほら!」
勇太「あーはいはい」
ルールに反して一瞬丹生谷の顔を見てしまったが、
ほっぺが赤面していて、リップで薄桃色に塗られた口も上機嫌な様相で、
清楚な長い茶髪で覆われた女性のベールに、怒っているようで優しく笑っている表情がちらっと見えた。
丹生谷「ねえねえ富樫君」
勇太「なに?」
丹生谷「富樫君って、案外イケてるとこあるのね!」
勇太「どういう意味だよ!まるでそこ意外全部だめみたいな言い方!」
丹生谷「あはは、そうじゃないけど、そうだよねって」
勇太「喧嘩売っているのかよ!」
丹生谷「私、富樫君のこと、好きになっちゃったかも」
勇太「え   っ」
丹生谷「冗談よ〜!なに本気になってんの!!でも嬉しいのはほんとよ」
勇太「い、今のはフェイクに聞こえなかった......」
丹生谷「嬉しい?」
勇太「建前で言えば、NO」
丹生谷「ふふふっ」
勇太「......。今日だけだし!!そこまでじゃないからな!......」
丹生谷「あ、そうそう、あのね」
丹生谷のテンションがまた下降した。何話すんだ?
丹生谷「さっきチア部のこと話したじゃん。コーチも富樫君から言えば腐っているって」
勇太「それコーチには言わないでくれよ」
丹生谷「それ以上にヤバイやつがあるんだけど?聞きたい?」
勇太「なになに?」


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