8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/26(日) 00:44:40.01 ID:BsXQ9LjA0
祖母のお墓は緩い斜面に面している。誰かがお墓の掃除で使った水が目の前の道を黒く湿らせていた。
幸い陽が出ていない。おかげで温度はそれほど高くないし日焼けをあまり気にしなくてよかった。けれども、高い湿度に関しては相変わらずで、車を出てすぐ首筋にじわっと汗が広がる。草むしりをして、掃除をして、行きしなに買ったお花を供える。汗は背中の方まで伝ってくる。暑いのはもちろん母も同じだったようで、お花を供えるとすぐ「帰ろか」と荷物を手に取った。
車は家とは別方向に動き出した。私が不思議がるのを隣で感じ取ったのか、「今日はおじいちゃんの家にも行くで」と母は話してくれた。
「年に一回くらいはお仏壇拝んどかんとな」
「……せやな」
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