36: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2018/10/17(水) 12:23:33.51 ID:LmusdARSO
時を同じくして……トイレから夢野が出てくる。
夢野「転子?おらんのか?まさか、あやつも…」
入り組んだ廊下を低徊する夢野。その内に物置の近くまで辿り着く。
夢野「なんじゃ?何やら変な音が…」
夢野がガラス戸越しに物置を覗き込む。
東条「ゔぅぅ…こんな、所でっ…」
物置ではぼろぼろになった蒲団たちが羽毛を撒き散らしつつ、裸の東条を揉みくちゃにしている。
夢野「んあぁっ!」
驚いて逃げる夢野。
夢野「転子!転子ぉー!!」
がむしゃらに走る夢野の死角から手が伸び、彼女の腕を掴む。
夢野「んあぁぁぁぁぁ!!」
茶柱「ひゃあぁぁぁぁぁ!!」
夢野「……いや、何かと思えば転子ではないか。人騒がせな奴じゃの」
茶柱「すみません、無我夢中でつい…それで夢野さんの大声に驚いてしまって…」
夢野「そ、それより大変なんじゃ!東条が、蒲団に…蒲団に…!」
茶柱「寝ていたんですか?あの東条さんが?確かにある意味一大事ですね」
夢野「んあー!いいから早く来とくれ!」
夢野が茶柱の手を引き物置へ。
夢野「東条!返事をせんか!東条!」
茶柱「あ、開けますよー…」
物置の中に入るふたり。
茶柱「この蒲団、えらいおんぼろですね。破れて中身が出ちゃってますよ」
夢野「…東条がやったんじゃ」
茶柱「え?またどうして─あ、これ東条さんの服じゃないですか?」
茶柱が羽毛にまみれた黒い布を手に取る。それはずたずたになった東条のエプロンドレスであった。それを見た夢野が泣き崩れる。
夢野「もうダメじゃ…赤松が死んで、東条も死んで…ウチらもこの家に食べられるしかないんじゃ…」
茶柱が夢野を抱き締める。
茶柱「何があっても夢野さんは転子が守ります。…だから、大丈夫ですよ」
夢野「転子…」
茶柱「落ち着きましたか?それでは、みなさんの所に行きましょう」
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