16: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2018/08/25(土) 15:21:44.66 ID:e8YWyB1SO
再びエントランスホールにやって来た赤松。
シロ「みゃう」
赤松「シロちゃん、こんな所にいたんだ。私の演奏聞いてくれる?」
シロ「みゃう」
赤松「…なんて、言っても解らないよね」
赤松は機械式メトロノームを動かすと、椅子に座って『月の光』を演奏し始める。
間も無くして、メトロノームの乾いた音によく似た別の音が重なるようになる。それを敏感に聞き取った赤松が思わず背後を顧みる……が、特に異変は無い。
赤松「…気のせいかな」
赤松が再び『月の光』を弾き始めると、その後ろで骨格標本が踊り出し骨をかっこんかっこん打ち鳴らす。
シロ「にゃあ」
シロが眸を光らせると、赤松の様子が少しずつ可怪しくなっていく。
まずは指が震えて、思うようにピアノを演奏出来なくなる。『月の光』はテンポが乱れ不協和音混じりになり、いつしか粗っぽい速弾きの『ネコふんじゃった』に変わる。
メトロノームは高速で左右に振れて、それに合わせて骨格標本も激しく踊る。
そして、ピアノの蓋にびっしり生えた鋭い歯が赤松に襲い掛かる。
赤松「きゃあぁぁぁぁぁ!!」
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