50:名無しNIPPER[saga]
2018/08/28(火) 12:56:56.99 ID:KCt0T8Luo
・ ・ ・
「冷めないうちに、食べようか」
コンビニを出て、袋を漁りながら言う。
すぐ食べるから袋は大丈夫、って言おうとしたけど間に合わなかったんだよね。
「……なんで?」
綾乃が、小さな、消え入りそうな声で言った。
質問の意図は、わかる。
この子は、どうして「帰ろう」と言ったのかを聞いているんだろう。
理由は色々とあるけど……一言で言うなら、僕が父親だからだ。
父親だったら、母親の教育方針に口出しする権利はある。
親としてのキャリアは、僕も彼女も全く同じなんだ。
だから、僕がああ言ったことも、
綾乃がそれに従ったのも、有千夏は怒ったりはしないと思うよ。
……なんでわかるかって?
だって、彼女は僕の奥さんだもの。
勿論、本当は、三人一緒が良かったんだけどね。
僕が、君達二人の、バドミントンの才能に及ばなかった結果が、この現状だ。
でもね、諦めるつもりは無いよ。
「う〜ん……熱ちちっ!」
家族全員で、笑ってる未来を。
さっきの質問の答えだけど、食べ終わってからにしようか。
それからでも、遅くはないだろうから。
おわり
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