倉石「石澤! SからE! そしてXだ!」
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48:名無しNIPPER[saga]
2018/08/28(火) 11:14:57.59 ID:KCt0T8Luo
  ・  ・  ・

「おめでとう、綾乃。凄いじゃないか」


 僕は、バドミントンにはあまり詳しくない。
 けれど、周囲の人間は綾乃はとても強いと評価しているし、
この子自身もまた、有千夏がそうであれと思った通り、強くあろうとしている。
 現に、綾乃は圧倒的な点差をつけて、決勝戦まで勝ち上がってきた。


「うん」


 だと言うのに、この子の顔には以前のような笑顔はない。
 勝利すると言う作業をこなしているだけに、僕には見える。
 機械的に体を動かし、無機物のように感情を見せることも無い。
 以前のこの子とは、まるで別人のようだ。


「決勝戦の相手の子は、とても強いらしいよ」


 僕は、バドミントンにはあまり詳しくない。
 そりゃ、見ていてわからないという程では無いけどもね。
 それでも、彼女達に比べれば、知っていると言うのすらおこがましい。


「どうせ勝つから」


 だけど、それで良かった。


「そうかぁ……」


 そうじゃなかったら、



「じゃあ、帰ろうか」



 こんな事、言えやしないだろうからね。


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