2:名無しNIPPER
2018/08/22(水) 18:10:32.76 ID:Lk7EkXPWO
僕の祖父ちゃんが生まれるよりもずっと前から、前世書というものは存在していたという。
科学の発達によって、血中の何ちゃらを解析すると、その人の前世が分かるらしい。赤ちゃんが生まれて、親が最初に気にするのは前世がどんな人物だったかそうだ。
子供は生まれるとすぐに前世検査にかけられ、お母さんが退院する頃に前世書を配布される。それには、前世の詳細が本人の日記であるかのように記入されている。
前世の生涯が、今生の評価になる。
履歴書というのは、その人間の若い一時代を切り取ったものに過ぎない。それならば、前世の生涯を通じて人間性を見た方がより確実に、その魂の純度を測ることができる。
何ともそれっぽい言い方だ。ただし、その前世が確実にその者の前世と証明されているならば、だが。ともかく、前世書は履歴書と対になって扱われている。
入社試験や推薦試験の際には、前世について問われることは、もしかしたら現在の自分を問われることよりも多いかもしれないくらいだった。
恐ろしいことに、世間の人々は前世書が100%の精度のものだと信じ切っていた。盲信と評しても過言ではない。
世の中の流れが前世書は正しいと思っているならば、それを疑うのはやめよう。何とも大衆染みた理由だ。
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