1:名無しNIPPER
2018/08/18(土) 22:41:37.83 ID:2RZDLTGd0
「へー! おいしそうなチョコだな!」
「でしょ? 叔父さんが海外旅行のお土産で買ってきてくれたんだ。だからみんなにもおすそ分けしようと思って」
マm……加藤さんが満面の笑みで机に広げたのは、いかにも高級そうなチョコレートだった。
だいたい十二粒ほどの精鋭チョコたちが箱の中には入っているのだが、その小さな一粒だけでガ〇ナの板チョコ一枚よりも高額そうに思える。
私がこんな高級チョコ貰ったら家族にすら分けずに自分一人で全部食うわ。さすがにNo.1は人間が出来すぎるほどに出来ている。
先陣を切るように、凸……岡田さんが一粒を摘まみ上げて口に運んだ。
「じゃ、もらうね。……んー、美味しっ! これ、タダでもらっちゃうの申し訳ないな……」
「んーん、気にしなくていいよ。皆も遠慮せず食べてね。さすがに全員分はないけど……」
「明日香、オレにも一粒ちょーだい!」
「よっちゃんの分は無しだよー! 女子限定!」
「陽菜、ひっでぇ!!」
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2:名無しNIPPER
2018/08/18(土) 22:48:28.74 ID:2RZDLTGd0
リア充どもが加藤さんの席の周りで騒ぐので、後ろの席にいる私にとっては居心地が悪いことこの上ない。
(私の分は……絶対くれない、と悲観するほど最近の私の生活は悲惨ではないが……しかしここでもらえるのを待つのも気まずいしな……)
どうしたものか、と喧騒に白けた目を向けながら待っていると、肩にずしり、と重いものがのしかかってきた。
3:名無しNIPPER
2018/08/18(土) 22:58:45.54 ID:2RZDLTGd0
「しかし、本当美味しいなぁ、このチョコ。有名ブランドのやつなだけあるね」
「お前、人の頭上でチョコ頬張るなよ……」
「クロも貰ったら? 早い者勝ちみたいになってるけど」
4:名無しNIPPER
2018/08/18(土) 23:06:40.49 ID:2RZDLTGd0
貰いに行くべきか、我慢すべきか。
割とどうでもいいことで悩んでいる私の眼前に、綺麗にネイルのなされた手が伸びて来た。
「はい! これ、黒木さんの分だよー」
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