2:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 11:51:47.67 ID:D2q9GL1v0
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3:sage saga
2018/08/17(金) 12:47:28.90 ID:P0z5mZ13O
「待てますか?いいから待てるかどうかだけ答えてください。」
そう、言われたのは何年前だっただろうか。
あのとき、ウエディングドレスは仕事だったな。
まだ早いってずいぶん怒られたっけ、でも仕事はしっかりこなした。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:48:14.96 ID:P0z5mZ13O
「連れっててくれるところ、みたもの、全部素敵な思い出です。」
こんなことを言われたらドキッとしちゃうよな。
アイドルとして、女の子として最高の景色を見せなきゃ、そう思わせられたよ。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:55:46.40 ID:P0z5mZ13O
「プロデューサーさんといると、私…笑顔になっちゃいます」
仕事をこなしていくうちに少しづつ信頼してくれるようになったっけ。
一番信頼していますなんて言われた時もあったよな。
ステージ上で泣いてたの恥ずかしがってたけど、舞台袖では俺も泣いてたんだよ。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:56:30.09 ID:P0z5mZ13O
「本当はそんなにできないけど…でも、誰かに期待されると頑張っちゃうんです。」
経験を積んで自信に満ちているように見えた君でもそういう風に思っていたことはこの時知った。
ひたむきに努力する姿を見て、それでも理想に負けそうになって折れそうになって、でも俺の、ファンの期待を軽く上回るパフォーマンスに目を奪われっぱなしだったよ。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:57:13.50 ID:P0z5mZ13O
「名前で呼んでください。」
最初は苗字で呼ばないと怒ってきたくせにいつの間にかそう言ってくれるようになったよな。
いつの間にか俺だけじゃなくて仲間にも、ファンにも名前で呼ばれることを嫌がらなくなった。
アイデンティティの一つとして認めるようになった。
自分の嫌いだったところを好きになれる人はそういない。本当に強い子だ。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:57:46.56 ID:P0z5mZ13O
「これから頑張るのは…誰かの憧れになること。パーティーの主役になります!」
そう決意した君の笑顔は…正直ドキッとしたな。
一回り以上離れた子に対して持ってはいけない感情を抱いたんだ。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:58:26.72 ID:P0z5mZ13O
「私、アイドルのお仕事楽しいです。」
知ってるか、ああいわれた時めちゃくちゃ嬉しかったんだぜ。
一人前の女の子じゃなくて、一人前のアイドルになるってセリフ…さ。
いろんな感情が込み上げてきたよ。アイドルを大好きになってくれもした。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:59:00.95 ID:P0z5mZ13O
他にも、いくつも記憶は浮かんでくる。思い出す必要もない。
そうしなくても頭に出てくるくらい俺の脳裏に刻まれてるんだ。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:59:34.44 ID:P0z5mZ13O
「もう一度言っておきます。いつか、私が本当に大人になる時、その時まで待っていてください。」
こう言われたのは彼女の小学校の卒業式の日だったか。
あの時の彼女は真剣に、そう本当に真剣に俺の目を見てそう言ったんだ。
透き通った茶色の瞳、若干揺れ動いて潤んでいたな。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 13:00:16.31 ID:P0z5mZ13O
「まだまだ子供ですけど…大人になったら、見てくれますか。」
彼女の卒業式の一年後、そう言われたっけな。
実はさ、君にずっと目を奪われてたんだよ。隠してたけどな。
サラサラした髪が揺れててさ、君はなんてきれいなんだろう。
そう思ってしまったんだ。
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