28:名無しNIPPER[sage]
2018/08/15(水) 12:15:37.62 ID:TejnHRCr0
蘭(屋根から屋根、塀を伝って見慣れた街を歩く)
蘭(いつもよりもずっと高く、あるいは低い目線はとても新鮮な景色だった)
蘭(そうして宛てもなく気ままに歩を進めていると、幼馴染2人の姿が見えた)
蘭(あたしはそれに近寄っていく)
羽沢つぐみ「ごめんね、モカちゃん。ウチの買い出しに付き合って貰って」
青葉モカ「いいっていいって〜。あたしもそんなにやることなかったし〜?」
つぐみ「そっか。ありがとね」
モカ「はいはーい」
蘭(つぐみとモカが並んで歩いている)
蘭(2人の会話を聞いた感じ、羽沢珈琲店の買い出しにたまたま居合わせたモカが付き添っているんだろう)
蘭(あたしはなんとはなしにその2人が歩く姿を塀の上に座って眺める)
モカ「ん〜?」
つぐみ「どうかしたの、モカちゃん?」
モカ「いや、あれー」
蘭(モカがあたしを指さす。それに釣られてつぐみもこっちに視線を動かす)
つぐみ「……猫、だね。なんだか珍しい毛色の」
モカ「なーんか、蘭に似てない?」
つぐみ「あ、確かに」
蘭「にゃ?」
蘭(あたしに似てるって、どういうことだろうか。いや、確かにモカが指さす猫はあたしなんだけど)
モカ「だよねー。あのふてぶてしい眼差しなんかクリソツだよね〜」
蘭「……にゃ」
つぐみ「そ、そうかな? 私は黒色の毛並みに一か所だけ赤い部分があるのが蘭ちゃんっぽいなって思うけど」
蘭(そうか、モカはあたしの目をふてぶてしいと思ってたんだ。今度何か仕返しをしよう)
蘭「にゃー……」
蘭(そう思いながら、あたしは2人に対して鳴きかけてみる)
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