101:名無しNIPPER[saga sage]
2018/08/19(日) 12:41:54.25 ID:L7rMXKsm0
もしも弦巻こころがサイコパスだったら
奥沢美咲(弦巻こころ)
美咲(彼女は常人とはかけ離れた感性を持っている)
美咲(それは世界でも指折りの大富豪である育ちの環境がそうさせたのか、それとも本人が生まれながらに持つ性格なのか)
美咲(もしくはその両方か)
美咲(『サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話だが――』というのは一昔前に流行ったライトノベルの書き出しだったと思う)
美咲(この話になぞれば、こころが『サンタクロースは実在する』と言えば実在するし、つまるところ、バックにある弦巻財閥の目の眩むような財産力で叶えられることはすべて叶えてしまう)
美咲(こころが右と言えば、彼女を取り囲む世界は右を向く)
美咲(だからだろうか、彼女は人の気持ちに対して鈍感……いや、考えることが少ないのだと思う)
美咲(頭の中にあるのは“楽しいこと”だけ)
美咲(嫌なこと、興味のないことは存在しない)
美咲(出会った当初、あたしの名前を一向に覚える気配がなかったのもそれ故だろう)
美咲(ただ、それでもとんでもないバンド活動を通じて、こころとは分かり合えたつもりでいた)
美咲(そう、『つもりでいた』)
美咲(それが本当に言葉だけでの意味だったと、あたしは痛感していた)
美咲「……ごめん、もう1回言って貰っていい?」
弦巻こころ「いいわよ。お父様がフランスの学校に行きなさいって言うから、8月から1年くらい留学することになったの!」
美咲「…………」
美咲(弦巻邸。東京の一等地に構えるありえないほどの超豪邸)
美咲(一般庶民にはいつまでも場違いなその豪邸の一室で、やっぱりこころはなんでもないようにそんなことを言うのだった)
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