周子「きつねうどん」
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1: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 22:42:37.19 ID:ppFvLiXj0
どんぎつねのCMを5月に見ました。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 22:48:28.12 ID:ppFvLiXj0
『1番好きなものは、最後に食べるんです』


何の気なしにつけた事務所のテレビで、ちょうどインスタント麺のコマーシャルが始まったところだった。

以下略 AAS



3: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 22:49:50.04 ID:ppFvLiXj0
ふーん。

なかなかよくできてるなあ、と思わず見入ってしまっていた。

1番好きなものは、最後に食べるんです。かあ。
以下略 AAS



4: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 22:51:39.13 ID:ppFvLiXj0
それはともかく、とっても購買意欲をそそられるCMだなあと唸ってしまう。

だって、思わず食べたくなってしまったもの、インスタント麺。

プロデューサーさんは、朝からずっと留守。
以下略 AAS



5: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 22:53:21.77 ID:ppFvLiXj0
はやく帰ってこないかなー、プロデューサーさん。

ソファで足をばたつかせながら、机に投げ出されていたファッション誌にもう1度手を伸ばす。

何度読んだか分からない、流行のコーデ、小物、下着……。
以下略 AAS



6: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 22:56:51.27 ID:ppFvLiXj0
「暇やなー」


もちろん誰も応えてくれない。

以下略 AAS



7: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 22:58:28.82 ID:ppFvLiXj0
無為な時間に耐えかねて、蝉の鳴き声を数え始めた。

1匹、2匹。あ、また鳴き出した。3匹目。

連日の暑さに流石の彼らも堪えているのか、今日は何だか覇気がない。
以下略 AAS



8: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 22:59:18.15 ID:ppFvLiXj0
「そんとき空から、けったいな光が降りてきはったんですわー」

ぽつりと他のアイドルの歌声を真似る。

もちろん合いの手は入らない。
以下略 AAS



9: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:01:12.53 ID:ppFvLiXj0
「なに? なんや?」


慌てて周囲を見回す。

以下略 AAS



10: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:02:14.10 ID:ppFvLiXj0
「はい、もしもし?」


白色の受話器を取って、1拍を置いてから応答する。

以下略 AAS



11: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:03:08.04 ID:ppFvLiXj0
「ちひろさん?」


『急にごめんなさいね。いま事務所に1人? プロデューサーさん、帰ってきてる?』

以下略 AAS



12: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:04:09.98 ID:ppFvLiXj0
『今日プロデューサーさんね、お昼には事務所に戻ってくるって聞いてたんだけれど。私、お昼頼むの忘れて外に出ちゃったのよ』


「あ、じゃああたしやるよ。任せて」

以下略 AAS



13: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:05:30.64 ID:ppFvLiXj0
回線が切れる音がする。

あたしも受話器を置いてから、ちひろさんの言葉を反芻する。

少しばかり考えてから、あたしはくるりと身体の向きを変えた。
以下略 AAS



14: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:06:02.42 ID:ppFvLiXj0
プロデューサーさんと、お昼かあ。

ちゃりんちゃりん、と指で回した鍵がご機嫌な音を立てる。

ふふ。今日のお昼ご飯は、このしゅーこちゃんに任せてもらいましょう。


15: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:07:11.27 ID:ppFvLiXj0


「ただいまー」


以下略 AAS



16: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:08:40.71 ID:ppFvLiXj0
そうかああー、とプロデューサーさんは天井に開いた送風口に向かって大きく口を開けている。

突然目の前に現れた熱源に負けまいと、冷房が吐き出す息も心なしか勢いを増しているよう。


以下略 AAS



17: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:11:14.74 ID:ppFvLiXj0
けれども今日は我慢、我慢。

プロデューサーさんの昼食は、しゅーこちゃんプロデュースなんですから。


以下略 AAS



18: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:12:05.36 ID:ppFvLiXj0
「今日はねえー」


机の上を指さす。

以下略 AAS



19: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:12:56.88 ID:ppFvLiXj0
プロデューサーさんの口がぽかんと開いた。


「……き○ねとた○きかあー」

以下略 AAS



20: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:13:54.82 ID:ppFvLiXj0
あかんかったかな……?

プロデューサーの顔を見上げる。

誤魔化しというか、照れ隠しというか。
以下略 AAS



21: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/08/13(月) 23:15:23.56 ID:ppFvLiXj0


「あちちあちち。ね、プロデューサーさんはどっち食べる?」


以下略 AAS



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