105:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 01:36:26.69 ID:w6V3e5/y0
窓から見えるのは、見渡す限りの空と山だった。美しい木々が太陽の光を浴びて、痛くなるほどの緑だった。
「ちょっとプロデューサー、速度出し過ぎじゃないですか?」
助手席に座った千鶴ちゃんが不満を述べたが、関ちゃんプロデューサーはどこ吹く風だった。
「安心してよ、アタシこれでも、峠の関ちゃんって呼ばれてた走り屋なんだから」
「そういう問題じゃないです」
「そもそもそれ、絶対嘘だよね」呆れるように裕美ちゃんが息をついた。
「マジマジ。豆腐屋の姉ちゃんと、一騎打ち、見せてやりたかったなー」
「もう、プロデューサーったら」
そんなやり取りに、私は頬が緩んだ。
私たちのユニットは、今度単独ライブが決定していた。
フェスの後も、私達はますます忙しくなっていって。
さらにもう一つ、大きな変化もあった。
「でも、事故は気を付けないといけませんよ、プロデューサー」
苦笑しながら言ったのは私の隣に座っていた岡崎泰葉ちゃんだった。
私達GIRLS BEは、泰葉ちゃんを加えた四人で、『GIRLS BE NEXT STEP』としてユニットを新たにしていた。
今度のライブは、私達のデビューライブだった。
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