38: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/08/10(金) 00:20:32.91 ID:OipDTOFK0
○
「それじゃあ、行こうか」
「うん。何食べに行くの?」
「んー。いろいろあると思うぞ。なんでもない普通の店だけど」
歩き始めた彼を追って、横に並ぶ。
「ふーん、まぁどこでもいいや」と言うと「じゃあ聞くなよ」と小突かれる。
実際どこでもいいのだから仕方がない。
ひどいお店に連れて行かれたことなどないし、例えひどいお店だったとしても笑い話にできるだろう。
「なんか、いつもと違う匂いするね」
「あ、気付いた?」
「うん、いいね。これ、上手く言えないけど」
「そうかな。美容院でつけてもらったやつなんだけど」
「……ってことは、髪切ったの今日なんだ」
「うん。一番最初に見れて良かったね」
「俺と会うためにわざわざ……」
「調子に乗らない」
ぎゅっと二の腕をつまんでやったところ、彼は「いてぇ」と声を上げる。
早速、香水の効果を実感し、心の中でお姉さんにお礼を言った。
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