36: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/08/10(金) 00:19:40.86 ID:OipDTOFK0
○
メールで指定されていた集合場所に、私は三十分以上のフライングで到着した。
どこかで時間を潰してから時間通りに到着するという考えがないでもなかったが、早めに来たのには理由があった。
髪を短くした私なら誰にも気づかれないのではないか、というものだ。
そして、どうやらこの目論見は成功しているようで、こうして街中にぽつんと立っていても声をかけてくる人はいなかった。
これならばもう変装の必要はないのではないだろうか。
なんて、これからの外出時の自分の姿を考え、うきうきとする。
そんなとき、真っ直ぐこちらに向かってくるスーツ姿の男がいた。
「お疲れ。っていうか早いな……髪切った?」
これまでの人生で一番と言えるくらいのイメージチェンジをしたというのに、一瞬で見つけられたのは納得がいかない。
サングラスの某有名司会者のようなノリで、それを軽く聞いてくるのも、ない。
ないない尽くしの現状に深いため息を吐いた。
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