25: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/08/10(金) 00:13:51.85 ID:OipDTOFK0
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メイクを直して、鞄に財布やら携帯電話やらを詰めて、と準備に追われている内に約束の時間が迫っていた。
少しだけヒールのある靴を靴棚から選んで、玄関で爪先を鳴らす。
カウンターでアレンジメントを作っていた母に「いってきます」と声をかけ、お店を出た。
鞄から眼鏡ケースを取り出して、伊達眼鏡を装着する。
本当に簡単な変装ではあるけれど、ないよりはマシだ。
ぽかぽかとした春の陽気の中、駅を目指して歩く。
ヒールとアスファルトとが奏でる音楽がいつもより速めのテンポなのはきっと春のせいで、今日の予定は関係がないはずだ。
間違いなく関係がないと言える。
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