巌窟王「これは、嘘で世界を変える物語だ」 アンジー「あなたの名前は――」
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489:逆転の人  ◆SxyAboWqdc[saga]
2019/06/29(土) 20:00:21.59 ID:rPeFjwYs0
赤松「私が願えば……叶う。外の世界の人間に復讐できる……?」

セミラミス「そうだ」

赤松「……さっきまでの議論で出した結論は……」

セミラミス「無意味、とは言うまいよ。ただ最後に物を言うのは力を持った誰かの意見だ」

セミラミス「今の貴様にはそれがある……不服な結果を塗り替えて何が悪い?」

赤松「……」

赤松(不服?)ピクッ

セミラミス「さあ。願え。そして貴様の望む未来を創ってみせよ。我の用意した機会だ、まさか断りはすまい?」

赤松「断るよ」

セミラミス「クハハ! そうだろう! 断るだろう――って」

セミラミス「は!?」ガビーンッ

アンジー「!」

セミラミス「……聞き間違いか? いや、言い間違いか? 今、断ると言ったように聞こえたが……」パチクリ

バッ

赤松(私を抱きしめていたセミラミスさんから少しだけ距離を取る。それでも至近距離のままだけど)

赤松(でもこれでいい! 心底困惑しているセミラミスさんの表情がよく見える、この位置が凄くいい!)

赤松「ここで私がそんなズルをしたとして! そこから先どうするの?」

赤松「セミラミスさんはずっと私を甘やかしてくれるの!? そんなわけないよね!」

赤松「その場一回限りの勝利を掴んだところで、その先の私にはロクでもない結末しか待ってないよ!」

セミラミス「なっ……にい……!?」

赤松「ごめん。正直、凄く嬉しい。動機はどうあれ、私のためにこんな凄いものを用意してくれたって事実が、とにかく嬉しい!」

赤松「多分セミラミスさんの想像よりずっと私は感謝してる! でもさ! そんな甘いだけの言葉に飛びつけるほど、私は子供じゃない!」

セミラミス「……!」

赤松「……その聖杯は受け取れない。だから、終わりにしよう」

赤松「悪だくみなんてやめてさ、予定通り……みんなで一緒に決めた通りに」

赤松「この学園を終わりにしようよ……!」

セミラミス「……」


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