巌窟王「これは、嘘で世界を変える物語だ」 アンジー「あなたの名前は――」
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382:逆転の人  ◆SxyAboWqdc[saga]
2019/03/30(土) 22:52:33.32 ID:PbSfdbHr0
セミラミス「ふむ。まあ、頃合いか。これでいいだろう。貴様らの説得は及第点だ」

赤松「せ、セミラミス……さん?」

セミラミス「ム? ああ。安心しろカエデ。我は汝を裏切らない」

セミラミス「ただ我は我の意思で汝を助けようというだけだ」ニヤァー

赤松「う……うあっ……!?」ガタガタ

王馬「助けるって人の顔じゃないよ。息の根を止めてやるとか、楽にしてやろうとか言ってる殺し屋スマイルだよあれ」

赤松「だ、ダメ! やめてよセミラミスさん! せっかくここまで来たのに、それを公開しちゃったら!」

セミラミス「ム? ダメか? いやダメなどとは言うまい! 我はカエデを助けたいだけだからな!」

セミラミス「カエデを!」ニヤニヤニヤニヤ

セミラミス「助けたい!」キラキラキラキラ

セミラミス「だけなのだ!」ヘラヘラヘラヘラヘラ

赤松「う……うあ……」

赤松「うあああああああああああああああああああっ!?」

巌窟王「……憐れだな。よりによってそんなヤツに目を付けられたばかりに。心底から同情するぞ」

巌窟王「だが貴様には相応しい最期だと思うぞ? 善意で状況を悪化させる天才の貴様が、悪意で誰かを支えるサーヴァントに止めを刺される」

巌窟王「クハハハハハハッ! いやまったくこの世の歯車は上手く嵌まっているものだ!」ギンッ

赤松「やめて! お願い! セミラミスさん! そんなことをするくらいなら……っ!」

赤松「……」

最原「言えないよね。赤松さんには悪意がないから」

最原「『自分の隠し事を抱えたまま死んでくれ』なんて酷いことを、優しいキミが言えるはずがない」

最原「……これで詰みだ赤松さん」

セミラミス「残念だったな。汝にもし『自分のために死んでくれ』と言えるようなエゴがあったら、そのときは素直に死んでもいいと思っていたぞ?」

セミラミス「……ククク。いや言うまい。ともすれば弱さともとれるようなその優しさが、我にとっては何よりの娯楽だ」

赤松「あ……あ……あああああああああ……!」


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