椿「もう一歩、そっちへ寄っていいですか?」
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22:名無しNIPPER
2018/08/03(金) 19:12:40.83 ID:9sBmy8QR0



* * * * *



千奈美「何かあったの?」



翌日、レッスン終わり。

片付けに入るところで、千奈美さんに声をかけられた。

差し出されたドリンクを受け取る。



椿「あ、ありがとうございます。……えっと、私、どこか変でした?」

千奈美「思い違いじゃなければね。ずいぶん気負った感じだったから」



図星かもしれない。



千奈美「眉間にシワ寄せててもいいことないわよ。時子じゃあるまいし」

椿「ンフッ」



噴き出しそうになったのを、なんとか必死で堪えた。

和やかな空気になってちょっと得意げな千奈美さん。

ズルイですよ、今のは。



千奈美「……で?」

椿「あ、えと……。深い理由はないですよ。ただ最近、周りのみんなが頑張ってる姿を見ることが多くて……。私も新しいお仕事頂けそうだし、もっと頑張らなきゃー……って♪」

千奈美「…………そう。でもいつものおおらかな椿が見られないのは、ちょっと残念ね」

椿「あ、あはは……」



怪訝そうな眼差しが刺さる。

べつに嘘は言ってないんだけど。



千奈美「ふぅ」



小室千奈美さん。

いつも自分のスタイルを崩さず、それでいて優しくて、魅力的な人。

ストイックな印象の一方で、最近は柔らかな笑顔を見せてくれることも多くなった。



千奈美「……少し話でもする?」

椿「……?」



私、そんなにヒドいかなぁ。





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