杉山「大野なんて死ねばいいのに」
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56: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/07(火) 02:20:39.43 ID:KfRt/2pU0
教えてくれよ

そう呟いても目をつぶったままの大野は俺に返事をしなかった。



火葬場につくと大野の母さんがやってきて、俺に一枚の封筒を差し出した。
見覚えのある封筒だった。

大野が、東京にいる間に文通に使っていたものと同じデザイン。

杉山「あの、おばさん。大野の部屋にある本もらってもいいですか」

「宇宙とか…物理の本よね?」

杉山「…俺」

「…いいわよ。きっとそのほうがケンちゃんも喜ぶわ。」

おばさんは、そういって俺に優しく微笑んでくれたが、俺は内心ドキドキで仕方がなかった。
もし大野が両親宛の遺書に俺のこと書いてたら。

大野の両親は俺を生涯許してはくれないだろう。


きっとおばさんは大野と清水に二人だけで戻ってきて心細かったに違いない。

これからはこのひとは、ひとりかもしれない。

「さいごのお見送りをお願いします」

棺のふたが開けられる。
正真正銘、これが最後だと思うと不思議な気がした。
いつだってあんなに一緒にいたのに。
東京に行くのとはわけが違う。

16の俺には、突然突き付けられた永遠という言葉は重すぎた。



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