41: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/06(月) 18:04:24.98 ID:yVF65aIb0
あいつが…大野君が最初に話かけてきたのはあんたと同じクラスだった時の…そうだ、あんたと話すようになって割とすぐ。
でもそのときはね、別に何もなかったのよ。
たまーにあんたの話するだけ。
頬杖をつきながらそっと目の前の女がうつむく。
大野が好きだと泣いていたあのころの面影は、もうない。
今思えばあれは私の杉山君への気持ち、探ってるようだった。
でも付き合い始めてからはそういうのなくなったかな、その時は単純に杉山君に遠慮してるんだろうなって思ってた。
それが…3年の夏休み、そいつは急に私の前に現れた。
え、と思わず声が漏れる。
話は続いていく。
はじめは偶々だった、いや…そういう風をあいつは装っていたのね。
道端で話かけられても教室でも話す仲だったし、別に不思議じゃなかった。
でもそれがだんだん頻繁になってきて、ある日ついに待ってる、って言われたの。
それからは早くて…流されるように突然手を握られて、そのまま抱き寄せられた。
あんな男にさ、求められて断れる女はいないわ。
断言できる。
まあ求められてたなんて、今思えばとんだ勘違いだったんだけど。
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