37: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/06(月) 03:10:49.79 ID:yVF65aIb0
馬鹿だと思った。
俺が宇宙飛行士になんてなれるわけがないと。
それでも大野はうるさかった。
お前ならなれる、俺は宇宙を知りたい。
曖昧に返事をしたふりをして、俺は本心ではまともに取り合っていなかったが大野はそんな俺を見抜いていて毎日のように俺を宇宙へと誘った。
そんなに熱い宇宙への夢を小学生の時から追いかけてる大野を、俺は羨ましいと思っていた。
人生の転機がいくつかあるとすれば、ここがその一つだろう。
もし時が巻き戻せるなら。
そんな俺らしくないことを今では毎日考える。
もし時が巻き戻せるなら、俺は大野の誘いを断らないで大野の家に行くだろう。
そうして、くだらない話を夜までするだろう。
高校一年の夏休み、俺は元カノに駅前で遭遇した。
なんだか大野に会いたくなくて、糞暑い中で外をプラプラしてた日のことだった。
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