杉山「大野なんて死ねばいいのに」
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14: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/03(金) 20:26:19.01 ID:GdHGw1+H0
こんなに大声を出しまくってる大野も久しぶりに思えた。

大野「外にだしたよな」

杉山「…。」

大野「あっごめん…泣けてきた」

全然泣きそうにもない大野に俺が宇宙を感じた、というと今度は頭を思いっきり殴ってきた。

杉山「痛ッてぇな」

俺の胸倉をつかんで圧し掛かってきた大野に睨みつけられる。
喧嘩なら昔は幾らでもしてたが、この年になって大野に手をあげられるとは思ってなかったから若干ビビって、俺はごめんなさい、と早口で呟いた。

大野「いいか、お前あいつがもし妊娠してたらまず俺に言うんだぞ。」

杉山「…は?何でだよ」

大野「そんなことになったらお先真っ暗だ。俺が完璧に何とかしてやる。」

そう、冗談みたいなことを大野はまるで冗談じゃないかのようにいってのけた。
結局その女子は妊娠してなかったわけだけど、今でももしあの時妊娠してたらどうするつもりだったのか気になることがある。


夏休みが終わると秋も暮れ、やがて冬が訪れた。
年末年始は足早に過ぎ去り、冬休み中に進路に向けての三者面談が行われる。

「杉山君は非常に成績優秀ですね。これならここら辺で一番の進学校も目指せば余裕で手が届くと思います。」

向かい合わせに座っている先生は、柔らかい表情だった。

暗い気持ちで向かった三者面談だったが驚いた。
先生は俺の意に反し俺を褒めることしかしなかったのである。

「部活動辞めた件も、僕は杉山君が理由もなく人を殴る子じゃないって分かってるから信じてるよ。殴られた方は普段から素行も悪いし…」

あの件に関しては、俺が100%悪いのだが、俺を信じて褒めてくれる先生に余計な事を言う気にはなれなかった。

「杉山君は優秀です。」

俺、一番じゃないですけど。

「文武両道で本当に素晴らしいですね。」

万年二位なんですけど。

「ぜひご家庭でも話し合ってどのあたりの高校を志望するのか考えてください。」

努力してもこれなんですけど。

「杉山君ならどこにでも行けますよ。」

…俺、大野に勝てなくても

結構認められてたのしれない、と思った。
その日の夕方、俺は彼女と若干遅めの初詣に行った。

もう大野と離れられますようにとは願わなかった。



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