531:名無しNIPPER[saga sage]
2020/03/05(木) 01:14:04.53 ID:wQFDgRACo
帰りの電車の中。
「……」
タタンタタン
タタンタタン
「……」
少女は空を見ていた。
沈みゆく太陽が空に光を残すのを見ていた。
夜との境に月が佇む。
「……」
少女は月を眺める。
今までの旅の記憶を思い出しながら。
「……」
次第に薄れゆく意識の中で。
旅を続けている年下の子を想いながら。
疲れを電車の揺れに乗せて眠りに就いた。
「お姉ちゃん」
「……ふへ?」
「着いたよ、起きて! 急いで降りないと!」
「あ、うん! あわわわわ!」
到着した電車のドアから荷物を抱えて飛び降りた少女たち。
「やっぱり寝てた」
「ありがとう、リン。なんか気持ちがふわふわしちゃってて」
夜の風が二人を通り過ぎていく。
「おかえり、お姉ちゃん」
「うん、ただいま!」
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