406:名無しNIPPER[saga sage]
2020/03/04(水) 03:13:01.21 ID:GYsMFmGgo
一輝「……」
秋槻「本当だ、美味しいですねこのカニ……。部活は何されてたんですか?」
さくら「小中は空手部なの〜。高校入ってレスリング部に入って……というか、入らされて」
秋槻「随分と険しい道を歩いてきてるんですね」
さくら「でも、この道の中であなたという運命に出会えたのよね」ポッ
pipipipi
秋槻「あ、電話……ちょっと席を外します」スッ
さくら「はいは〜い」
一輝「……さくらさんはどこまで乗車するんですか?」
さくら「私? 私は結月ちゃんと一緒に降りるわよ。東京までね」
一輝「…………そうですか。仕事だから当然と言えば当然ですよね」
さくら「なによ〜、もの言いたげね〜」
一輝「将来と今って、どっちが大切ですか?」
さくら「ふぅむ……難しい質問ね」
一輝「将来の為に努力してた人が、この旅の中でターニングポイントになって……
将来がぼやけてしまいそうになってる」
さくら「誰の話?」
一輝「……アイツです。他人の為にカニをむいてるけど、自分は食べてないヤツのことです」
さくら「栞奈ちゃんが悩んでるのね」
一輝「悩みというか……どうするんだろって思って」
さくら「さっきの質問の返しは、両方よね」
一輝「……」
さくら「今、努力していない人が将来を語ってもしょうがないし」
一輝「……ですね」
さくら「でも、努力するのは将来のためだし。ということで両方ね」
一輝「……」
さくら「でもね、私は思うんだけど、結局人それぞれなのよね」
一輝「どういうことですか……?」
さくら「私は小さい頃から親父……パパに言われて空手をやらされてたんだけど」
一輝「……」
さくら「そうやって精神や体を鍛えていても、私はこうやって芸能関係で働いてる訳でしょ?」
一輝「えっと……失礼な言い方ですけど……無駄だったってことですか?」
さくら「ううん、そうじゃないわ。
例え、私がピアノを習ってたとしても、結局はこの仕事をやってるんだと思うのよ」
一輝「……」
さくら「私がやりたかったことは決まってたからね」
一輝「――……」
みこと「あれ?」
マリ「どうしたの?」
みこと「秋槻さんが居ない」
マリ「あ、本当だ」
結月「さっき外へ出て行きましたよ。電話じゃないですかね」
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