363:名無しNIPPER[saga sage]
2020/02/14(金) 16:06:14.79 ID:l1m2r1O+o
栞奈「ぅぅ……どうしよ、焦れば焦るほど焦ってしまう」
日向「本当に焦ってるんだな……。大村の姿は見たの?」
栞奈「ううん。……多分、個室で降りる準備してるんだと思う」
日向「私が思うにだ、栞奈」
栞奈「う、うん」
日向「あれだけお互いに言い合ってた二人なんだから、
話をして悪い方には行かないと思う」
栞奈「……うん」
日向「私だけじゃなくて、みんな思ってることだよ。
大村を信じて、私らも信じろって」
栞奈「…………うん」
日向「このままお別れするのは嫌だろ?」
栞奈「うん」
日向「その気持ちがあれば前に進めるよ、きっと」
栞奈「…………でもね……日向」
日向「うん?」
栞奈「私は……私自身が信じられないんだよ……」
日向「……」
栞奈「これだけ……日向が言ってくれてるのに……信じて前に進む勇気がないんだよ……」
日向「……」
栞奈「今まで楽しかった旅が……嫌な思い出で終わるのが怖い――」
日向「栞奈……それは」
「日向さん?」
日向「……!」ビクッ
結月「なにしてるんですか、こんなところで……栞奈さんも一緒だったんですね」
日向「び、びっくりした……ゆづか」
栞奈「……」
結月「日向さん、さっき外歩いてました? さくらさんが『ナニカ居る』って怯えてたんですけど」
日向「うん、たぶん私だな……」
栞奈「あはは、さくらさんが怯えるなんてね〜。お化けとか苦手なのかな?」
結月「みたいですね。腕力ではどうにもならないから嫌だって言ってます」
栞奈「物理ダメージが通る相手なら怖くないんだ! やっぱり強いな、さくらさん!」
結月「……」
栞奈「でも、その『ナニカ』を確認しに来た結月ちゃんも強いね〜憧れちゃうね!
そんな結月ちゃんと一緒に月でも見に行きたいな〜」
結月「栞奈さん……何かありました?」
栞奈「ないよ、なにも。それより、月と星を観に行こうじゃない。
素敵な時間を共有しようよ、お姫様」
結月「……」
日向「栞奈」
栞奈「もちろん姫の騎士である日向も――」
日向「私さ、学校行ってないんだ」
栞奈「一緒…に…………」
545Res/802.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20