マリ「超特急デネブ?」結月「そうです」
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357:名無しNIPPER[saga sage]
2020/02/14(金) 15:57:40.44 ID:l1m2r1O+o

報瀬「それに私たち、人との付き合いの中で打算とか駆け引きとか出来るほど器用じゃない」

みこと「生き方が下手……」

報瀬「……うん」

栞奈「言うねぇ」

みこと「あ、そうじゃなくて……! お母さんの小説にそういう一節があって……!」

報瀬「ふふ、いいよ、気にしてない。その言葉、合ってるから」

栞奈「器用に生きられた方が楽だよね」

報瀬「楽だと思う。けど、そんな生き方してたら私が今持ってるものより、何かが足りていないと思う」

栞奈「面倒くさい自分を受け入れるか、切り捨てるか……?」

報瀬「どちらかを選択なんて、できないんじゃない?」

栞奈「どういうこと?」

報瀬「思い立ってできることなのかな、自分を捨てるとか受け入れるとか」

栞奈「できるよ……。諦めればいいだけだから。少しずつ、周りの色に染まるみたいに合わせて行けば」

報瀬「そうかも……ね。……やっぱり二人は似てる」

みこと「?」

栞奈「私と日向?」

報瀬「うん。頭の回転が速いからいろいろ考えることが出来るでしょ。
   自分のこと相手のこと、周りのこと」

栞奈「そうかな……?」

みこと「うん、私もそう思う。日向さんと栞奈さん、似てる」

栞奈「……そっか」

報瀬「それで、考えすぎて、先の先まで考えてしまう。
   そして、余計なことまで考えて動けなくなってしまうところとか」

栞奈「……」

報瀬「話を戻すと……私みたいな人は、面倒くさい側の人間。
   人は誰でも楽をしたいはずだから、それが普通だから……それが悪いことだとも思ってない」

栞奈「……」

みこと「あ、あの……報瀬さん!」

報瀬「な、なに?」

みこと「聞きたいことが……あって」

報瀬「?」

みこと「髪を切ったのは……どうして……ですか……!?」

栞奈「……」

報瀬「これは……」

みこと「……っ」

報瀬「お母さんと……じゃないか。……私自身と決別したから、かな」

みこと「決別……?」

報瀬「私のお母さん、南極で行方不明になって、帰らぬ人になって……」

みこと「え――」

栞奈「……」

報瀬「栞奈は知ってたんだ?」

栞奈「うん、まぁ……。報瀬たちに関連した記事を読んでたんだけど。
   その中に古い記事をたまたま見て……もしかして……とは思ってた」

みこと「――」



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