提督「朝潮ちゃんにビンタする」
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44:名無しNIPPER[saga]
2018/08/05(日) 01:30:08.76 ID:3MfjBCvM0
風雲「これは絵画のレプリカ。綺麗な絵ね」

秋雲「オラース・ヴェルネの『死の天使』だよ」

オラース・ヴェルネ『死の天使』1851
www.ntv.co.jp

秋雲「それを見た時ちょっと感動して、帰りぎわについ買っちゃった」

風雲「感動? まあ綺麗な絵だと思うけど……」

秋雲「美術館て基本的にいくつかのセクションに分かれてて、それを通路で結び付けいているんだよね」

秋雲「でこの絵、実際は壁一面に広がる大きい絵なんだけど、それが通路の突き当りに展示されていたわけ」

秋雲「するとかなり遠くからでも一応目につくわけね。その時、私は白くて目立つ綺麗な女の人の部分しか見えなくて、ああ聖女画なんだなーと思っていたのよ」

秋雲「で、いざ近づいてちゃんとみるとこれ! なんとその後ろには黒い死がいるじゃない。近づくまで気づかない黒い死の天使。これは完全にやられちゃったなーとなるじゃん! わかる!? この感動が!?」

風雲「わ、わかったからとりあえず落ち着いて! ち、近いぃ……」

秋雲「ご、ごめん。でも、時々『美術館にわざわざ足を運ぶ必要ないよね、今は本もインターネットも充実しているし』と言う人いるけどさ。秋雲はそれ違うと思うんだ」

風雲「はあ」

秋雲「実際に自分の足で動いて初めて得られる経験て絶対あるよ」

秋雲「キネステーゼ感覚っていうのかな。現実の生の経験をとことん重視した現象学という哲学領域によると、私たちの認識は現在時の一面的認識だけじゃなく、他にも過去の一面を把持し、未来の一面を予持して、認識を構成しているらしいんだけど、その生の経験を実感するにはやっぱり空間を歩くことが大切なんだと思う」

風雲「秋雲。ごめん。なにを言っているのかわからないわ」

秋雲「今回、私はこの絵を最初ただの聖女画だと思ってたでしょ。その現在時私は遠目からの聖女画という経験を持っているから、当然未来も変わらないと思って近くからみる聖女画の未来を期待予持していた」

秋雲「でも、歩いて、つまり未来時点に立つと現れたのは死の天使。その時、認識はずれ込んで、過去把持の聖女、原現前としての死の天使と、私は認識は修正されて、ついでに時間契機を強く意識しちゃうわけ」

秋雲「自分の生での過去現在未来の認識をこうして力動させ修正完成させていく過程が本当の経験というものなんじゃないかと秋雲さんは思うわけです」

風雲「うん。ごめん。やっぱり私にはわからないわ」

秋雲「そっかー……まあいいや」


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