84:名無しNIPPER[sage]
2018/12/29(土) 17:30:39.95 ID:BWF1i+bVO
「寒く……ない」
暖房の効いた部屋で目を覚ました俺はそう呟く。新しく越してきたマンションは床暖房がデフォルトで入っているような素晴らしいマンションだ。ここに越してきて数日しか経ってないが、とても住み心地が良い。
俺が『アザレア』を出た理由はただ一つ、明石さんが消えてしまったからだ。会社から帰ってくると明石さんの居た部屋が空き部屋になっていた。大家に聞いても急に引っ越した、迷惑料として来月分の家賃も置いていったから文句が言えなかったと言われてしまった。
明石さんは携帯も何も持っていなかった。彼女とは隣人という繋がりだけだったのだ。明石さんとの繋がりが消えたアパートに何の未練も無く、俺はすぐに引っ越すことに決めた。
このマンションは以前のアパートとは東西真逆の位置にあり、通勤時間も増えてしまった。だが朝寒くもなく、トイレが自室にある部屋に比べれば大した問題ではない。
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