796: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2020/05/10(日) 23:54:42.97 ID:TDpnU3nDO
『そしたらあいつは激怒してあたしを消そうとした、あたしは消えたくなかった』
『だから…』
機械的に感情を殺し話すY子さん。まるで懺悔をしているようで
「これまであった事で良い結果になったのはY子さんが?」
『全部じゃないよ…もちろん悪い結果の全てにあいつが関わってる訳でもない。そもそも個人である以上全てを関知なんて出来やしないんだ』
「私が…売られたのは」
『っ…ごめんなさい!』
土下座でもしそうな勢いで謝るY子さんを遮り
「それをしたのはあっちであって貴女ではないんですよね?」
『それは…そうだけど…』
「今更…私にY子さんを憎めとでも言うんですか?それこそ怒りますよ」
『うぅ…』
彼女は決して言わないがおそらくはこれまで何度も救われているのだ、私だけではなく、消えてしまうはずだった漣さんや、新棲姫さん、それ以外にも沢山
それでも溢れてしまう。一人の手のひらでは全ては救えない。例え運命に干渉出来てもそれは変わらないのだ
そしてそれ以上にこの世界は残酷なのだと私達は知っている
仮にそんな力が存在しなかったとしてもこの世界は私達を―――
この世界はあたし達を
―――憎んでいる
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