375: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/05/04(土) 06:38:30.23 ID:TcHKAzrDO
「だって最初に呼ぶなって言われてからずっとY子さんでしたし…そのうち忘れちゃいました」
『…』
怒ったのか、彼女は黙り込んでしまう。名前を忘れたなんて言ったのはまずかっただろうか。バリバリが来るかと身構える私
『…ぷっ、あはっ…あははははっ!』
「あ…あのう?Y子さん?」
珍しく爆笑する彼女に私は戸惑うばかりだった
『そっかー、あはは…。朝ちゃんの中ではあたしの名前はあれじゃないんだね』
「あの…差し支え無ければ、改めて教えてくれたらそう呼びますけど…」
『ううん、いい。ここではあたしはY子さんでいい。…ここだけでもあたしはあれじゃない』
嬉しそうに、悲しそうに彼女はそう言って笑う
『今の世界にはまだ希望がある。もしかしたらあれを破壊出来る誰かが居るかもしれない』
そうしたらあたしは…
そこまで言ったY子さんの顔を見た私は凍り付く。見覚えのある表情だったからだ
私が生前鏡で見ていた自分の表情と同じ
自殺志願者のような顔をしていた
900Res/720.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20