275: ◆B54oURI0sg[sage saga]
2019/04/08(月) 06:21:48.18 ID:YeTediuDO
「どういう意味ですか?」
私が聞くと富士さんは少し言いにくそうにして、それでも誤魔化さずに話し出す
【その提督からして自分の基準でしか物事を考えていない節があるわ】
「そんな事無いです!司令官はいつも皆の為に悩んだり泣いたりしているじゃないですか!」
【気に障ったのなら謝るわ。あくまでそういう部分もあるという事。確かに彼の優しさは嘘ではないでしょう】
「そうですよ!」
『いいの?お姉ちゃん。そんな話して』
【まぁ、ここだけの話という事にして頂戴。で、だけれど、その提督はいつも言っていたわね、もしも龍驤に何かあれば自分はどうするかを】
「そうですね…龍驤さんが居なければ司令官は生きては行けない、きっと後を…」
【他の艦娘達を見捨てて?】
「あ…」
そうか…富士さんの言いたい事がやっと解った
【実際にそうなった場合、彼がどうするかは解らない。だけど残される気持ちを誰よりも理解しながら自分も同じ事をするようなら…】
「…結局は司令官も自分の事しか考えていなかった、そういう事ですか…」
【最愛の者を喪った精神状態ですもの…無理も無いとは思うわ。だからこそそんな時に誰かが支え、繋ぎ止めなければならないわ】
そうでなければ…と富士さんは視線を奥の部屋に移す。支え、繋ぎ止めるのに失敗した場合…ああなるのだと言外にそう言っていた
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