96:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/03(金) 20:18:38.64 ID:uC+MDGI60
「ひ、弘世さん待って!」
足早に進んでいると、後方から聞き覚えのある、少し叫びに近いような声でお呼びがかかる。振り返ると、ブラウンのショートヘアをなびかせた女性が、小走りで近づいてきていた。
「宇野沢先輩、まだ学校に残ってたんですね」
「う、うん…せっか……く来たから……先…生たちに、挨拶をと…」
「そんなに急かなくてもいいですよ」
やけに息があがっている様子だ。言葉が途切れ途切れで分かりにくいので、少し間を取るように促す。
「うん…ハァ……。ふぅ、もう大丈夫。ありがとね」
「いえ。どうかしたんですかそんな息を荒らげて」
「あ、これ。弘世さんを見かけて追いかけたんだけど結構速くって……」
そんなに速かっただろうか。いや確かに早足気味だったかもしれないが、歩きは歩きだ。今の先輩のように軽く走れば直ぐにでも、
「久々に全力で走ったんだよね」
久々に全力で走ったらしい。それは盲点。あまり速い走りには見えなかったが、もしや胸元の不要な脂肪があるからなのだろうか。いつかどこかで耳にした、『貧乳はステータス』という言葉はきっとこういう面について表したものなのかもしれない。
「先輩、大変なんですね」
「うん。大学入るとなかなか運動する時間が無くてね、どんどん脂肪もついてきちゃうし。あはは……」
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