93:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/03(金) 20:14:16.08 ID:uC+MDGI60
「たしかにこちら側、淡や尭深が好配牌で向こうが五向聴なんてなったときは相手に同情を覚えることもあるが、今回の相手にそんな情は必要ないだろ」
「違うよ菫。今尭深に例えたのは淡じゃなく片岡さん、五向聴は私」
「……?」
思わず首を傾げる。
「だってそうでしょ。淡の絶対安全圏は私にも発揮される。でも、片岡さんはわからない」
照にも五向聴は発揮されて……片岡優希は尭深。ああ、そういうことか。
「東場の片岡の力が尭深に匹敵する可能性があるってわけか。もしそうなったらいよいよ手がつけられない、だからリスキーだと」
「うん。淡のダブリーも、片岡さんと違って終盤まではツモりにくいしね。『この試合に東二局は来ない』、片岡さんの口癖みたいだけど、それが現実になりかねない。それに東一局を乗り越えても淡の力はたぶんコンビ打ちには向かないよ」
最後のところだけは私も思っていたことだ。淡の力は特徴的すぎる。私みたいな普通の打ち手ならば淡に全面的にアシストすればまだいいが、照がそれをやるのは宝の持ち腐れだ。かといって照も淡も全力でやっては歯車は噛み合わない。その隙はまず間違いなく竹井に突かれてしまうだろう。
「あと」
なにか続けようとした照だが、そこで口ごもる。
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