照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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6:名無しNIPPER
2018/07/27(金) 14:53:38.35 ID:YwSoJMOz0
インハイチャンプでマスコミ対応も容姿も良い。世間では理想像のような扱いだけれど、いざ話してみると意外と隙があるように感じて少しホッとする。

「そうだ。前々から気になってたんだけど、宮永さんって読書家よね?」

「読書家……なのかな。好きっていうならそうかもしれない。どうして?」

後ろ歩きが危なっかしく映っただろうか。少し早足になり、宮永さんが横に来る。

「あ、やっぱり。試合前とかよく読んでるの見るから、機会があったら話してみたいなって思ってたのよ」

清澄麻雀部の部室には大量の本がある。特にやることがなかった二年間に、部費も使わなきゃいけないしと麻雀関係の買ってみたのが始まりだ。
おかげさまで今では咲と小説の話が出来るくらいにはいろいろと読むようになっている。


「普段はどんなの読むの?」

「何でも読む……けど、偏りってことならミステリが多いと思う。比較的古めの」

「ミステリーかぁ、ちょっと読むの疲れるイメージあったんだけど面白いわよね。古めって言うと、江戸川乱歩とか松本清張とか?」

「それも読んだことはあるけど、どっちかというと海外作家の作品かな。クリスティとかドロシーあたり」


クリスティは、そして誰もいなくなったとかポアロとかだっけか。ドロシーは……ドロシー・セイヤーズだったかな、作品はちょっと思い出せない。


「クリスティ! この前薦められてね、あれ読んだわよ。スタイルズ荘の怪事件」

「『エルキュール・ポアロ』シリーズの一作目ね、あれで処女作なんだからやっぱり凄いと思う。ポアロは他にも?」

「んー。読もうと思って手を付けたんだけど、なんかあれ30作品くらいあるでしょ? 少し滅入っちゃって、なにから手を付けたものか……」

「順番通りなら『ゴルフ場殺人事件』だけど、多いってことなら……『アクロイド殺し』がオススメ。シリーズ序盤だし、ポアロを知らなくても読める、あとミステリそんなに読まない人も楽しみやすい内容だと思う」

「お、そうなんだ。じゃあ今読んでるやつ読み終えたらそれ読もうかしら」


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