5: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2018/07/25(水) 17:45:29.90 ID:EN7B3i0VO
「さ、プロデューサー。到着です」
「うん、着いた。お疲れ様、肇」
それじゃ、帰るか。
あまりにも暑さと疲れが溜まり過ぎて、思わずナチュラルに帰宅を宣言しそうになった。
いや、流石に即帰宅なんてアホな事はしないが。
そんな事したら此処までの苦労が水の泡になってしまう。
「……綺麗な渓流ですね」
「だな。結構有名らしいけど……此処数日猛暑日が続いたからだろうな、人が全然いなくて気楽だ」
であればそんな日が続いていたというのに訪れた俺たちはなんだという話になるが。
結果として多少は涼しかったから良い、結果が全てだ。
心地良い川のせせらぎと風に揺れる木々の音。
遠くから聞こえる蝉の鳴き声に鳥のさえずり。
此処数日の都内に比べて圧倒的に過ごし易い風。
既に此処へ来て良かったと思えるくらいには、最高のロケーションだった。
「さ、プロデューサーさん」
「おう、お茶飲んで休んで帰るぞ」
「…………むー」
「……嘘だって、それじゃやるか」
ぷくーっと頬を膨らませる肇を他所に、肇が用意してくれた渓流釣り用の竿を組み立てる。
ところでいつのまにか二本も用意したんだろう。
いずれ誰かを誘うつもりだったのか、それとも予備か。
どのみちど素人の俺が選ぶよりはよっぽど良いだろうから、肇には感謝しかないが。
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