4: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2018/07/25(水) 17:44:59.77 ID:EN7B3i0VO
じーっ、じーっ
容赦なく照りつけてくる太陽の光を、悪足掻き程度にしかならないが手で遮りつつ。
腹が立つほど元気に鳴く蝉の音を全身に浴びながら、俺たちは目的の川へと向かっていた。
「良かったですね、今日はここ数日ほど暑くならなくて」
「まぁな」
それでも暑いけど、という言葉はなんとかグッと飲み込んだ。
楽しそうに隣を歩く肇に、わざわざ水を差す必要は無いだろう。
確かにここ一週間に比べて、今日の気温は低い方だった。
時折雲が太陽を覆ってくれ、その度に風が涼しく感じられる。
朝事務所の近くに集合し、電車を乗り継ぎ一時間半。
田舎と都会の境目くらいの緑に囲まれた駅へ到着してから、更に舗装されきっていない道を歩く事三十分。
ようやく川のせせらぎが聞こえてきた頃には、シャツも額も汗の存在をこれでもかと主張しており。
河原の木陰に座り込んだと同時、改めて夏という季節への好感度がグッと下がった。
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