4: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/07/22(日) 21:17:24.24 ID:uP4TAhH40
青年(祖父によると、すぐ側の山には「猩々」と言う猿の神が居るらしい)
青年(この村の血縁者には、ごく稀に猩々の呪いである痣が憑く)
青年(痣を持つ彼らは、「猩印」と呼ばれる)
青年(猩印は二十歳になってから三年以内にこの村に戻ってきて)
青年(満月の夜、猩々にこの村で作った酒を献上しなければ死んでしまう)
青年(それが昔から伝わる、「猩々の呪い」らしい)
青年「……」
青年(信じられないけど……祖父がここまで真剣に話しているんだ)
青年(つまらない冗談は言わない人だ。きっと本当なんだろう)
青年(それに、二十歳になってからたまに痣が痛む。きっと無関係じゃなさそうだ)
青年「それで、どこに行けばいいの?」
祖父「……分からん」
青年「ええ……?」
祖父「村に古くから伝わる言い伝えがある」
祖父「山に入ると、猩印のみが入れる「赤い道」が現れるそうだ」
祖父「酒はこの瓢箪に入れてある」スッ
青年「む、無理だよそんなの、遭難するじゃないか!」
祖父「少し進んでいくと、猩印を案内する何かが現れるそうだ」
祖父「彼らは光を嫌う。明かりを消して待つようにしなさい」
青年「真っ暗な中一人で居るの……?」
祖父「ああ、それも真夜中の山だ。何が起きるか分からん」
祖父「……こんな事をお前にさせたくは無かった」
祖父「それでも、私の知っている限りでは、四人の猩印が猩々参りをせずに死んでいる」
祖父「だから、どうか……無事に帰ってきてくれ……!」
青年「爺ちゃん……」
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