白菊ほたる「あの日の写真」
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2: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/07/21(土) 02:01:52.94 ID:iF9TJVEt0
 たぶん、きっかけがなかったら、私はきっとずっと俯いたままだったでしょう。

 ――小学校四年の、秋のころだったと思います。

 いつものように俯いて家に帰ると、玄関に見慣れない靴がありました。

 居間で、お父さんとお母さんと、知らないおばさんが話をしていました。

 ぎょろっと目の大きい、ちょっと太ったおばさんです。

 お母さんの大学時代のお友達で、岡山から出張に来たついでに寄ってくれたんだよ、ってお父さんが教えてくれました。

 ほたる、ご挨拶なさい、ってお母さんが言いました。

 わたしは白菊ほたるです、とちょっと頭を下げて、すぐ自分の部屋に戻ろうとしました。

 だけど、そのおばさんが、そんな私を呼び止めて、いったんです。

 貴女、モデルを引き受けてくれない? って。



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