【バンドリ】白鷺千聖「…………」大和麻弥「どうしたんですか、千聖さん」
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11:名無しNIPPER[sage]
2018/07/17(火) 23:33:32.33 ID:sOF6k7pX0

「……もしかして私、いま褒められた?」

「え? えっと……うん、褒めた……のかな?」

「えへへ、そっか。花音ちゃんに褒められて嬉しいな」

 彩ちゃんは照れたように笑った。それにまた胸がキュッとする。

「花音ちゃんのそういうところ、すごくいいなって私は思うんだ」

「そ、そういうところって?」

「自分の弱いところを認めて、人を褒められるところ。そういうところがあるからさ、私、花音ちゃんといるとすごく落ち着くんだ」

「…………」

「それからね、私よりもずっと強くて眩しい人だなって、そう思うようになったんだ。花音ちゃん、本当にすごいなーって」

「そんなこと……」

「あるよ」

 再びの否定の言葉は、彩ちゃんの優しい肯定の言葉に打ち消された。

 それから水槽を眺めていた彩ちゃんが私に向き直る。ふと右手に温かい感触がして、そちらへ視線を落とすと、彩ちゃんの左手が私の右手を優しく握ってくれていた。

「ありがとう、花音ちゃん。私が色んなことに頑張れるのは、花音ちゃんのおかげだよ」

「あ……」

「優しくて、私を認めてくれて、こうやって元気をくれる。花音ちゃんはね、花音ちゃんが自分で言うほど、弱くなんてないよ」

 ニコリ、と彩ちゃんが笑う。その優しい笑顔に、その言葉に、行動に、勇気が足りなくて胸の中に沈んだままだった言葉が一気に喉元までせり上がってくる。

「どう、して」

「え?」

「どうして、彩ちゃんはそんなに優しくしてくれるの……?」

 ついに吐き出してしまった言葉。言えないまま、きっと泡沫のように消えていくんだろうと思っていた言葉。それを聞いた彩ちゃんは、少し瞬きをしてから、

「あなたのことが好きだから。大好きだよ、花音ちゃん」

 ふにゃりとはにかんで答えた。



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