4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/07/16(月) 22:24:10.42 ID:/aS1s4K/0
○
母との電話を終え、再び電話帳の最上段へと画面を戻す。
今度はプロデューサーへ発信した。
数コールして、プロデューサーに繋がり『お疲れ。どうだった?』という気の抜けた声が聞こえてきた。
事務所の電話を取る際や先方との電話なんかで使うパリッとした声、お仕事用の声とは酷い違いだなぁ、といつも思う。
おそらく私の名前が表示されたからこその、この気の抜き方なのだろうとは思うけど。
「お疲れ様。ばっちり、ではないかもしれないけど、うん。上手にできたとは思うよ」
『あはは。流石は俺の担当アイドル』
「はいはい、そういうのいいから。……で、お迎えなんだけど、お願いしてもいいかな」
『ああ、待ってるよ。いつものとこに車停めてる』
「私がお迎えいらない、って言ったらどうするつもりだったの。それ」
『まぁ、そこはそれ。諦めて帰るしかないよなぁ』
「無計画すぎないかな。……じゃあ、すぐ行くから」
『んー』
鼻から空気が抜けるような、そんな返事を聞いて通話を打ち切った。
携帯電話を再び鞄へと戻して、机を振り返る。
お菓子、食べなくてよかったかも。
なんていう、ちょっとした幸運を感じつつ、楽屋を後にした。
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