202: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/19(木) 22:54:14.30 ID:kUzY9MI20
2018年1月1日。月曜日。
除夜の鐘の後、俺はしばらくアンチョビの言葉に返事ができないでいた。
それで俺は、アンチョビが元の世界へ帰ることが、アンチョビだけの目標でなく、俺の目標にもなっていることを自覚した。
絞り出すように「なんで?」と問いかけるとアンチョビはやはり静かに答えた。
「色々考えたけど、やっぱり、どれだけ頑張っても、元の世界へ帰る方法は見つからないと思うんだ」
「……やってみなきゃわからないって言ったのは、アンチョビさんでしょう」
「十分やったさ。戸庭のおかげで、ここまでやれた」
「まだできるでしょう。やれることなんかいくらでもある」
「それでもきっとそれは、私が元の世界へ帰ることには繋がらないと思う」
アンチョビは厳しい口調で言った。
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