144: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:32:01.66 ID:MeNYOwih0
なるほど、俺は、過労で倒れた。
アンチョビはそれを、どうやら自分のせいだと感じているらしかった。
彼女らしいと思った。
しかしそれは決して事実ではない。
医者が去って俺が「アンチョビさんは関係ないですよ」と言うと、彼女は「ごめん」と呟いた。
「なんで謝るの。関係ないって言ってるじゃん」
「関係はある。一緒に暮らしているんだ。『大丈夫』と言う戸庭を、私は信用してしまった。止めることができなかったんだ」
言葉を紡ぐごとに彼女の瞳が潤んでいくので、俺は見ていられなくなって顔を背けた。
医者には『最低でも五日は入院して休養すること』と告げられた。
その間は仕事もアンチョビの助けになることもできない。
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