俺「アンチョビが画面から出てきた」
1- 20
141: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:20:04.38 ID:MeNYOwih0
 ひゅうひゅうと微かな呼吸が寝室に薄く響いた。
 何とか気力を振り絞ると指先がぴくりと動く。
 とはいえ起き上がるほどの筋力はないらしく、ベッドの上でもがくのみだ。

「ううう」

 覚悟を決めて体を転がす。
 すると、ベッドから落ちた俺の体は床と接触して鈍い音をたてた。

 やがて寝室の扉をノックする音と「戸庭?」と俺を呼ぶアンチョビの声が聞こえる。

 そこで俺が再び「アンチョビさん」と声をあげると、「入るぞ」と扉の隙間からアンチョビの綺麗な髪が見えた。

「戸庭っ!」

 アンチョビが叫ぶのが聞こえるが、俺にはどうにも遠い世界の出来事に思えた。
 ずぶずぶと暗く寂しい世界が俺の傍にあって、俺はその境界に立っていた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
293Res/190.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice