3:名無しNIPPER[saga]
2018/07/15(日) 00:35:22.61 ID:68QvvrKK0
突然のことで咄嗟に声がでなかった。ああ、とか、うん、の間みたいな声を出して頷く。
それから少しの間、少女は集合場所を眺めていた。僕も同じように集合場所を眺めていたが、視界の端にチラチラ映る金髪ばかり気になってしまう。
「おにいさんは、お一人様でございますか?」
隣の少女がこちらを振り返る。
「まあ、そうかな」
今度はちゃんと声がでた。
「それならライラさんと同じですねー。よろしければ、一緒にどうでございますか?」
「ライラさん、お魚屋さんのご夫婦の代わりに来ましたです。旦那さんが腰を痛めてしまって参加できなくなってしまったので、代わりに行っておいでと誘われましたです」
「でも突然のことだったので、一緒に行けるお友達見つけられませんでした」
「それなら、こちらこそよろしくね」
異国の風貌をした少女から流れる言葉はとても庶民的だった。なんとなく自分とは違う人だと決めつけていた自分が恥ずかしい。でもそのギャップのおかげでこわばっていた心が柔らかくなった。
「あ、ライラさん自己紹介がまだでした。わたくし、ライラさんと申しますです。ドバイからきましたです」
「それじゃあ僕も、男って呼んでください」
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